『必然』14(講道館杯)

講道館杯に出場できることになったはええけど・・・仕事(営業)の方は、より一層忙しくなってきた

毎日の営業活動・・・夜間の機動隊勤務の応援・・・土日には、銀行のキャッシュコーナーの対応(銀行職員が休日のため)

その分、残業手当が多くて、同年代よりに比べたら、ええ金額の給料はいただいとったけど・・・

如何せん、練習をする時間は限りなく少なくなっとった

 

 

そんな状態の中で迎えた・・・講道館杯

1回戦・・・筑波大学出身の内村選手との対戦やった

 

内村選手は、俺と同じ歳なんやけど・・・高校1年生の時に、既にインターハイ準優勝しとって・・・その後も、ジュニアの大会、大学生の大会、また国際大会にも、日本の代表として派遣されてるほどの強豪選手

俺は・・・まともに柔道をしたら、勝ち目はないなって思ってたから・・・

片手のみを持っての袖釣り込み・・・飛び十字関節・・・隅返し・・・果敢に攻めた

 

内村選手は、左組み・・・ほんで、得意技は「背負い投げ」(っていうより、超一流の「背負い投げ」)

右組みの俺とは、喧嘩四つになる

 

その時、ホンマに驚かされたことがある

釣り手をしっかりと抑えて、この状態では、絶対に「背負い投げ」は入られへんやろう状態を作ってたにも拘らず・・・

気が付いた時には・・・スッと、俺の股の間に入られとった

 

幸い、投げられることはあれへんかったけど・・・俺は、メッチャ混乱した

「何でやねん!? なんで、この状態で「背負い投げ」に入られるねん!?」

それを、試合の中で理解して、対応策を考えることなんかできへんから・・・徹底して、「背負い投げ」を防御しとったねんけど・・・

やっぱり・・・一流選手やでな?

 

「背負い投げ」を・・・俺の頭に、完全にインプットした後・・・

「背負い投げ」に入られた時に、俺がスライドさせた左足を取られて(当時は、足を持っても反則ではなかった)・・・

俺は半身で尻もちをついてしもうて・・・「効果」(当時のポイントは、「一本」「技あり」「有効」「効果」の4種類)を奪われた

 

俺は・・・学生の頃から、投げられて負けるっていうことは、ほとんど皆無やった

ポカをして、抑え込まれたり・・・判定で負けたりすることはあっても・・・「ポイントは奪われへん!」っちゅうことに、ある程度の自信を持っとった

せやけど・・・「やっぱり一流選手は、試合の組み立てが違うんやな?」って、痛感させられた試合やった

ちなみに、その年・・・内村選手は、全日本体重別で優勝して、オリンピックの補欠にまで選出されてる

 

ほんで・・・さらに、ちなみに・・・

20数年経った現在・・・長男(REN)の大学(大阪産業大学)の監督でいてくださるっちゅうことには、ホンマにおもしろい巡り合わせを感じてる(^^)

 

 

 

俺の思い描いとった「目標」は・・・当然やけど、そんな甘いもんじゃなく・・・

1回戦敗退っちゅう結果に、終わってしもうた

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