『必然』5(レギュラー獲得)

準決勝にコマを進めた俺は・・・

「どんなことをしてでも、あとひとつ勝って、レギュラーになってやる!」

その想いしかなかった

 

「殺すつもりで戦ってやる!」っていう気持ちは・・・準々決勝の、そんな試合の後でも消えることはなくて・・・

それどころか・・・益々、勢いに拍車がかかっとった

 

 

俺自身の中では・・・ここまで上がってくることは、「それだけの強い想い」で練習に取り組んできてたから、当然やと思っとったけど・・・「第二道場」で練習してる者が、準決勝まで上がってくることなんか、普通ではありえへん

せやから・・・周りの連中(同級生のレギュラー陣)からしたら・・・非常に、おもしろくない一コマやったに違いあれへん

 

そらぁ、そうや!?

練習自体を、一生懸命取り組まへんことが原因で・・・監督から「第二道場」に落とされてるんやから・・・

「第一道場」の人間が・・・その一生懸命、練習に取り組まへん奴に負けるなんてことは、ホンマに不本意なことやったやろう?

 

せやけど、俺には・・・「今に見とけよ!」って思いながら、練習に取り組んできた過程がある

せやから・・・「俺は、誰にも負けるはずがない!」っていう、自信しかなかった

 

 

 

そんな雰囲気の中・・・準決勝が始まった

準決勝の相手は・・・同級生、カナダ国際で準優勝やったか?・・・それなりの実績のある選手やった

(ちなみに・・・大学に在籍しとった4年間、同級生でレギュラーになった者の中で、国際大会にエントリーしてもらわれへんかったのは・・・俺だけ(^_^;)

1~2年生の頃・・・練習を一生懸命取り組めへんかったことが要因やと思うけど・・・  トリトレ国際、カナダ国際、西ドイツ国際などなど・・・数々の国際大会があったにも拘らず、俺はいっぺんも参加させていただかず終いやった)

 

 

開始早々・・・俺は、喧嘩四つの相手に対して、「飛び十字関節」を仕掛けた

「飛び十字関節」は、不発に終わってしまったようやった

ようやった???

 

そう・・・俺は、「飛び十字関節」を仕掛けた時に、その代償として、畳に頭を思いっきり打ち付けてしもうたねん

『ゴンッ!』

一瞬、目の前が真っ暗になったのは覚えてる

せやけど・・・その後のことは、まったく記憶から飛んでしまってる

もちろん・・・今も、思い出すことはできへんし、その試合をどないして戦ったんか?は、まったく記憶にない

 

 

 

どんくらいの時間が経ったんやろうか?

後輩が・・・「耕太郎先輩! 耕太郎先輩!」って、頻りに叫んどった

俺が・・・それに気付いた時、我に返った時・・・決勝戦が始まる寸前やった

(あとで、後輩が言うてたことやけど・・・俺の試合(準決勝)が終わってから、ずっと俺に声をかけ続けてくれてたらしいねんけど・・・これといった反応があれへんかったみたいで、その時に初めて我に返ったみたいやねんな?)

 

準決勝・・・

開始早々に頭を打った俺は・・・途中、「袖釣り込み腰」で「有効」を奪って、5分間をフルに戦って勝ったとのことやった

それ自体、その後輩から教えられたことなんやけど・・・俺自身は、まったく記憶にない

 

学内予選っていうても・・・決勝戦だけを残すようにして、準決勝までの試合は各階級ともすべて行う

30分なのか?1時間なのか?・・・座っとったんか?横になっとったんか?・・・

何ひとつ、記憶にはあれへんけど・・・60kg級の決勝戦の途中まで、俺は気を失ってた(意識はあったらしいけど)ことになる

 

「耕太郎先輩! 次、試合です!」

「試合!? なんの試合やねん!?」

「決勝です!」

「だから・・・なんの決勝や!?」

「-65kg級、先輩の決勝です!」

「お前の言うてることは、よう分からんけど・・・棄権するっていうてこい! こんなに頭痛いのに、試合なんかできるわけないやろ!?」

 

そこで初めて、正気に戻った俺やけど・・・

今まで、どこにおったんか?何をしとったんか?さえも、まったく分かれへんかったし・・・おまけに、ものごつい頭も痛かったから・・・正直、試合をするような状態ではあれへんかった

 

 

せやけど・・・

結果的に、決勝戦まで上がったことで・・・「全日本体育系大学体重別選手権」出場の切符・・・そう、レギュラーのポジションを手にすることができた

それと同時に・・・柏崎先生から、「「第一道場」に上がって、練習しろ!」のお言葉をいただいた

 

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小・中学生の頃で見比べられたら・・・

俺なんか・・・他の連中(同級生、後輩含めて)に比べて、箸にも棒にもかかれへんような、ショボくれた柔道しかしてけえへんかったと思う

もちろん、高校時代の実績を見比べられても・・・

インターハイ出場、地方大会入賞とか・・・中には、インターハイで上位に入賞してる者かっておるくらいやから・・・

その時点では・・・到底、太刀打ちできへんかったに違いあれへんわ

 

せやけど・・・

小・中学生の頃の実力差とか体格差が・・・高校時代の実績が・・・

その先も、エンドレスで埋まることないんか?っていうたら・・・それは、まったく以て違う

 

不平不満を云わんと・・・

与えられた環境の中で最大限の「辛抱」と「努力」ができたなら・・・その差は、多少なりとも埋まってきよる

 

『必然』2(千葉県学生体重別選手権)

おまけに・・・ここでも、記したけど・・・

本心は、本人にしか分かれへんことやけど・・・もし、仮に同級生や後輩の中に、欲求を抑えてまで走らされてきた者がおったとしたら・・・

子供の頃に過ごした環境・・・子供の頃に感じた感情などを含めて・・・

それらすべてが、点と点が線で繋ぐことができる大人(大学生)になった時に・・・

子供の頃(高校生含む)のまま、「自らエンジンを掛けて、アクセル全開で走り続ける」なんていうことは・・・非常に難しいことなんじゃないんかな?って、俺は思う

 

人間は・・・物事が、上手く転がってる時には、多少の辛いこと(困難)にも耐えれる生き物やけど・・・

物事が、上手く転がれへんようになった時には・・・そうはいかへんこともある

 

正に・・・子供の頃から勝ち続けてきた者が負け始めた時・・・それが、そうなんとちゃうんやろか?

 

せやけど・・・その『必然』を、どない受け止めて、次につなげることができるんか?っちゅうことを、学んでへんかったら・・・

そのまま坂道を転がり落ちていく状況に陥ることも、決して少なくはあれへん(俺は、高校・大学時代・・・転がっていく奴を、何人も見てきたから)

 

 

 

せやから・・・俺が言いたいのは・・・

「「結果」ちゅうもんは・・・「結果」であって、単なる「結果」にしか過ぎへん!」っちゅうこと!

それが・・・子供の頃であったら、なおさらや!

もちろん、それが・・・

オリンピックや世界の頂点を決める瞬間やったり・・・人生を掛けた場面であったりしたら・・・そんな悠長なことは言うてられへんのやろうけどね

 

 

大切なことは、己自身で「エンジンを掛けたんか?」っていうこと!

誰かに、追い掛けられて、「走らなければならない」状況やったから、仕方なく走ったんではなくて・・・

己自身で、「エンジンを掛けて、アクセル全開で必死になって走り続けたんか?」っていうこと!

そないしたら・・・たとえ、その「目標」に到達せえへんかったとしても、きっと「そのこと自体」が、己自身のそれから先の人生の「糧」になるはずやから

 

少なくとも・・・俺は、そうや!

己自身で、一念発起して・・・エンジンを掛けて、走り続けて・・・

結局・・・最終的には、「目標」に到達することはできへんかったけど・・・

せやけど・・・

大学3年生の、あの時期があったからこそ・・・俺は、「己自身で「エンジンを掛ける」ことさえしたら、何事であっても、クリアすることができるはずや!」っていう自信につながってる

上手く転がれへん状況に陥っても、それが『必然』やって、真摯に受け止めることができたら・・・必ず、次の素晴らしい『必然』が訪れるはずや!って、そない思ってる

 

せやから、俺は・・・

一生懸命、戦ってきた彼ら(子供たち)を、思いっきり抱きしめてやるねん

一生懸命、頑張ってきたことと・・・その瞬間、彼らの身に降りかかってる『必然』を・・・

次に訪れる、素晴らしい『必然』へと繋げてもらえるように・・・

彼らを「否定」することだけは・・・絶対にせえへんようにしてるねん

 

 

「諦めたら、そこで終わる!」

「歩みを止めたら、後退しかない!」

「「その時」がきたら、見過ごすことなく、すべてを捨ててでも頑張れる人になってくれ!」

 

 

 

我が子はもちろんのこと・・・道場生たちも・・・

「酸い」も「甘い」もを、知った(経験した)上で・・・

「酸い」を選択できる人に育ってほしいなぁ~って願ってる

 

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それから、俺は・・・「第一道場」で、必死になって練習をした

練習して・・・体重調整して・・・試合のことを考えて・・・将来のビジョンを考えて・・・

そないすることで・・・毎日毎日は、充実しとった

 

せやけど・・・それでいても、誰かに心を開くことはせえへんかった

圭吾兄ぃが亡くなってから、1年の月日が流れとったけど・・・

大切な大切な兄貴分であり・・・

大半の時間をいっしょに過ごしていただいた友人でもあり・・・

ほんで、俺の18年間の人生観を、180度変えてくれた、尊敬できる先輩であり・・・

そんな人を亡くしてしもうたことで・・・

練習をしても・・・バイクにまたがっても・・・女の子と遊んでも・・・

何をしてでも・・・ぽっかり穴が開いてしまった俺の心を支配するのは・・・『孤独』のほか、何者でもなかった

 

俺自身・・・「また、大切な人を失ってしまうんではないか?」っていう恐怖感から、誰にも心を開こうとせえへかったんかな?って、今振り返ったら、そない思うけど・・・

そんな俺の心を・・・『孤独』が支配し続けるのは、当然やった

 

 

柔道に関して言えば・・・ちょっと、追い風が吹き始めた感じやったけど・・・

私生活に関しては・・・依然、心にぽっかりと穴が開いたままの状態やった

 

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