ウチは・・・基本的に、ほとんど試合には参加せえへん
道場設立当初から数年間は・・・宮城県内のみならず、山形県、福島県、遠くは東京都や長野県で開催されるオープン参加の団体戦にまで出場しとったんやけどな
せやけど・・・
今から考えてみたら・・・
あの時期の子供(生徒)たちの顔は・・・皆、同じ顔をしとったように感じる
厳しい相手と試合を戦って・・・怒涛の数の練習試合をこなして・・・疲れ果てて、仙台に戻ってくる
そのまた翌週なんか?・・・翌々週なんか?・・・また試合に行く
勝って学ぶこと・・・負けて学ぶこと・・・
そう言ったもんは、確かに、仰山あったように感じるけど・・・
それ以上に「大切なもん」を見失ってしまってた時期であったのは確かやなぁ?
それに・・・
個人的には・・・今現在の子供たちの顔の方が、俺は断然好きやしな
だって・・・「笑顔」に満ち溢れてるんやもん
子供って・・・あんなに素晴らしい「笑顔」をすんねんで!?
せやのに・・・
(誤解を恐れんと記すけど)大人の「利欲」とか・・・大人の「感情」とか、大人の「考え」、大人の「執着」等によって・・・
その「笑顔」の輝きは・・・だいぶ、薄れてしまいよるんやないんかな?って、俺は思う
おまけに・・・
試合に出場するためには・・・試合に向けた稽古が優先的になってくるのも事実やしな?
せやけど・・・
「柔道」って・・・試合の為だけにやるもんなんか?
そない考えたら・・・もっと大切やと思うことに、時間を使いたいなって・・・10年以上前に、俺は今の方向にシフトした
「ルール」は、もちろん(せやけど、今は事細かなルールが山のように存在する)やし・・・「戦い方」・・・時には「勝ち方」に至るまで・・・
それを教える時間があるんやったら・・・俺は、もっと子供たちといっしょに笑ってたいなぁ
子供たちの・・・素晴らしい輝きを放つ「笑顔」が見たいなぁ
・・・・・って、そない思うようになった
高校や大学で、柔道を続けていく子にとっては・・・
経験値上昇のために、いろんなタイプの子と戦ったり、練習したりした方が・・・今の時代、柔道界も早熟であるが故に、「出遅れてしまうやろ?」っちゅう考えも分からんでもない
せやけど・・・
「柔道」の現役を退いた後の人生の方が、圧倒的に長いねんで?
おまけに・・・
「柔道」を選択せえへん子かって、幾人もおるはずやんか?
それやったら・・・
「仲間を思いやる気持ち」とか・・・「感謝をする気持ち」とか・・・そういうもんを、普段の練習や行事の中で学んでもらうことの方が、俺は大事なような気がしてならんのよなぁ?
・・・・・って・・・まぁ、前置きが長くなってしもうたねんけど・・・
そんな状況(ええ加減な道場(笑))の中でも・・・
ウチの中学3年生連中・・・
昨年(中2)の秋口くらいから・・・自ら、エンジンを掛け始めよった
俺は、何も言うてへんし・・・
当然、試合に勝つための方法なんか、何一つ教えてへん
組み手すらも教えてへんねんから・・・
ある意味では・・・あの不自由な状態で、県大会の上位に上っていく彼らを・・・逆に大したもんやと、俺の方が感心させられる
好成績を残すのは・・・俺の下を巣立った後でいい
小手先の上手さ(ズルさ)や・・・組み手で相手を制する上手さは・・・後々(高校に行ってから)覚えたらいい
細かいルールかって・・・すべてをインプットして、それを上手く使ったり、対応したりするのは不可能なんやから・・・
単純に、試合場の真ん中で、両手(釣り手と引き手)を持って、真っ直ぐな柔道をしたらええだけのこと
今は、その不自由な中で・・・如何に己自身で考えながら・・・如何に己自身の持つ最大限のパフォーマンスを発揮できるんか?
それだけに徹したらええと・・・俺は思ってる
(ええように記したら)そのお陰でっちゅうんか?・・・(悪く記したら)何も教えてへんもうてへんからっちゅうんか?
柔道の「テクニック」っちゅう部分は、ほぼ白紙の状態で高校に進学していくもんやから・・・
高校の監督(ここ数年は、柴田高校に進学する子が多いけど)が・・その白紙のキャンバスに、絵を描いてくださる
そしたら・・・彼ら自身が、その絵に色を添え始めるから、その絵は躍動感を持って、素晴らしい作品に成り上がってくる
そう・・・
小中学校時代・・・全国大会や東北大会に出場するどころか・・・ローカルの大会でさえ勝ち上がられへんかったような子達が・・・
高校2~3年生にもなったら・・・県大会優勝、東北大会優勝(上位入賞)、インターハイや全国高校選手権でも十分に戦える選手に育っていってくれる
余談やけど・・・
昨年・・・SO兄ぃが、愛媛インターハイ(66㎏級)に出場した時のこと
ウチは、10年ほど前から・・・毎年、11月に「大家族旅行」と称して、スパリゾートハワイアンズに遊びに行くねんけど・・・
以前(コロナ前)は・・・一応、旅行初日には、福島県や茨城県の道場(数チーム)が集まる合同練習会に参加させてもらってたねんけど・・・
SO兄ぃが、小学校4年生くらいの時・・・福島県の某選手(軽量級)に、手も足も出んとケチョンケチョンにやられたことがあった
(SO兄ぃと同学年の)ヤマト先輩&タケル先輩も、軽く捻られてしもうて・・・かなりの差があることは否めへん、ホンマに強い福島県のチャンピオンの子がおった
また・・・
SO兄ぃが、中学生の時やったかな?
軽量級の選手・・・彼もまた強烈(親父さんも強烈)で、関東大会でも上位に入賞するような素晴らしい選手で・・・一本背負い、捨て身の小内なんかを、きれいに合わされて、SO兄ぃがケチョンケチョンにいわされた茨城県の代表選手がおった
インターハイのトーナメント表を見た時・・・
同じブロックに、その福島県の選手(彼は、埼玉の高校に進学した)と茨城県の選手の名前があった
何を云わんとしてんのか?
小中学校時代は・・・遊びが優先(試合よりもBBQ、合同練習会よりもスパリゾートハワイアンズ)、楽しい柔道、笑顔最強説etc・・・そないして過ごしてきたSO兄ぃでも・・・
高校に進学して、監督からいろんなご指導をいただいたり・・・いろんな高校や大学に合同練習に連れて行っていただいたり・・・
ほんで、最後は己の頑張り次第で・・・
小中学校時代に、まったく以て歯が立てへんかった選手たちとも、高校3年生のインターハイの舞台で、同じブロックに名前を連ねることができるようになるんやで!っちゅうこと
そんな、リアルな現実があるくらいやから・・・
俺は・・・小中学校時代の彼らの白いキャンバスには、一切絵を描くことはせえへんようにしてるねん
話を元に戻すけど・・・
週に2回の練習・・・しかも、真剣に取り組んだ実戦練習時間は、1回の練習につき約20分間のみ
そんな環境の中・・・
春先から・・・己自身の「想い」ひとつで、「仲間と行こう!県大会!東北大会!全国大会!」を胸に、頑張ってきた彼ら(中学3年生の連中)やったけど・・・
県大会、東北大会が終わった瞬間から・・・彼らから放たれてた「近寄りがたいオーラ」っちゅうんか?・・・「ピリピリ感」っちゅうんか?・・・「怖さ」っちゅうんか?
そんなもんが一切なくなって・・・今は、後輩たちの練習相手(投げられ役)に徹してくれて・・・後輩たちが、彼らにまとわりついとる
数か月間に渡って漂ってた、ちょっとした「緊張感」がなくなって・・・最近、道場内の「空気感」が変わった気がする
俺は・・・この「空気感」が大好きなんや
今の今まで大騒動やった道場内から、子供たちが帰ったあとの静けさに包まれた道場の「空気感」と似てる気がしてなぁ
ただ・・・
この「空気感」が続くのも・・・あと半年
半年経ったら・・・奴らは、新たなステージに向けて、この場所から巣立っていきよる
それまでの間・・・この何ものにも代えがたい「空気感」の中・・・
(着々と、ここを巣立っていく準備をしてる)バカ息子たち&可愛い娘たちと、思う存分「大切な時間」を過ごしたいと思う
もちろん・・・
彼ら自身にも、弟や妹たちにも・・・掛け替えのない「大切な時間」を過ごしてもらいたいなって願ってる
ほんで・・・
彼ら(中学3年生連中)には・・・己の人生の中で、大きな一歩を踏み出す時期やからこそ、足元だけに囚われて「大切なもん」を見失えへんようにしてもらいたいと願う
ファミリー、仲間を大切に!
故郷を大切に!
感謝の念を忘れるな!
他人に対する「思いやり」!
脚下照顧!(今この場所に立ててるのは誰のお陰なのか?)
減点法じゃなく加点法で物事を見ろ!
己の行いがすべての結果を招く!
責任を持て!
覚悟を持て!
二度と戻ってけえへん『今』を大切にしろ!
We Can Do It!
Yey!!