『必然』15(『感情の抑制』)

入社2年目・・・

仕事は・・・さらに、忙しくなっとった

正直にいうて・・・「練習したい」なんて、悠長なことを言うてられへんほど、毎日毎日、忙しく営業活動に追いやられとった

 

 

そんな・・・お世辞にも、ベストコンディションとはいわれへんような状態で迎えた・・・

2回目の「全日本実業団体重別選手権大会」

 

俺は・・・2回戦で、大学の3歳上の先輩と対戦することになった

 

俺は・・・その先輩のことが、正直、気に入らへんかった

その先輩は・・・大学を卒業した後も、大学に残って練習にいらっしゃってたけど・・・

大学在学中、ほんで卒業された後も・・・俺は、その先輩に、良く思われてへんかったんやろな?

事ある毎に、文句を言われたり・・・陰険な言葉も多々吐き出されたりした

 

せやけど・・・俺が、大学3年生の後半くらい(練習に真面目に取り組み始めたくらい)からは・・・

俺自身も・・・ちょっとずつ、レベルアップが図られてきた

それに伴って・・・練習中、乱取りの相手をお願いをしにいったりもしたんやけど・・・先輩が、俺の相手をしてくれることはなかった

 

練習を断られる理由は何なんか?は、分かれへんけど・・・

俺は、その頃から、「練習であっても、試合であっても、その時が来たら徹底的にやってやる!」っていう、そんな思いでおった

 

それが・・・実業団の大会で、対戦できることになった

俺は・・・「勝ってやる」っていうことよりも、言い方は悪いが「壊してやる」(要するに、腕の一本を関節技で折ってやるって考えとったんやな?)・・・そう考えて、試合に挑んだ

 

あの試合・・・俺にとっては、「柔道」じゃなかった

「喧嘩」・・・やった

 

5分間の試合の中で、今まで積み重ねてきた自分の技に、飛び込めるシーンは何べんか?あったと思うけど・・・

俺は・・・再三にわたって、飛び十字関節、巴投げからの十字関節、そればっかり(壊してやる)に拘って、試合、いや喧嘩をしとった

 

結果・・・旗判定、3-0で判定負けやった

 

試合が終わってから、我に返った

「負けた」

そう・・・「負けた」ねん

「喧嘩」をしてるつもりの俺自身やったけど・・・柔道の「試合」で「負けた」ねん

 

情けなかった・・・

「感情」に左右されてもうて・・・冷静な試合運び、試合の組み立てが、まったくできてへんかった自分自身を、ものごっつい恥じた

(もちろん、先輩に対しても・・・あのような感情を持ち、あのような思いをぶつけてしまったことを・・・今となっては、ホンマに自責の念にかられてるし、ホンマに申し訳なく思ってる)

 

 

俺が負けた、その先輩は・・・その大会で上位に入賞された

「たら」「れば」は、言うてもしゃあないことやけど・・・

勝つつもりで戦って「たら」・・・試合を、ちゃんと組み立てて「たら」・・・違う内容やったんかも知れへん

 

せやけど・・・その結果は、『必然』やったんやろな?

「感情の抑制」をすることができへんかった、俺の失態のほか何ものでもなかったねんから・・・

 

 

そないして・・・俺の社会人2年目の夏の実業団の大会が終わった

 

・・・・・っていうより、仕事の忙しさ、その状況での減量の厳しさ、練習・トレーニング不足など・・・

事実上・・・俺のチャンピオンスポーツとしての「柔道」は、この夏の実業団の大会が最後になってしまうことになる

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