柏崎先生と石井先生から、お叱りを受けた翌日やったと思うんやけど・・・
4年生で、授業もほとんどない状態やった俺は・・・午前中、「男女7人秋物語」っていうドラマの再放送を、部屋で見とった
ホンマに、何気なくやってんけど・・・
そのドラマに出演しとった、柳葉敏郎さんが・・・なんでか分かれへんけど、メチャメチャ格好良く見えた
俺は、居ても立ってもおられへんようになって・・・
いつもいってる、床屋さんに行って・・・柳葉敏郎さんカットにしてもらった
俺は・・・全日本体育系大学選手権のあとも、髪を短くすることはせんと過ごしとった
国士舘大学が来た時も・・・東海大学に行った時も・・・
(せやから・・・実業団の頃に、国士舘や東海の連中に会った時には、あの当時の髪型のことを、メッチャ笑い話にされたよ(^^;))
せやけど・・・長髪に飽きとったんか?・・・イメージを変えたかったんか?・・・今となっては、分かれへんけど・・・
俺は・・・思い切って、短髪(柳葉さんカット)にした
柳葉さんカットにして、気を良くした俺は・・・
昨日の一件なんか、すっかり忘れてもうて・・・早く後輩たちに見せたくて、その日ばかりは喜び勇んで練習に参加した
その日の練習中・・・石井先生が、俺を呼んだ
「耕太郎! それが、お前の「気持ち」か? 俺は、そういうの好きだよ!」
俺は・・・最初、何を言われてるんか?分かれへんかったけど・・・
多分・・・昨日の一件もあって、「髪型」のことを言うてるんやな?って思ったから・・・
「あっ、はいっ!!」
・・・って・・・「いかにも、俺は心を入れ替えてきたんです!」っていう、アピール返事をしといた
話が逸れてもうたけど・・・
「全日本学生体重別選手権 関東予選」のトーナメント表が貼り出された
2回戦で、筑波大学の南條選手(現:仙台大学柔道部監督)と対戦する組み合わせやった
そのトーナメント表を見た瞬間・・・くすぶっとった俺のモチベーションは、一気に熱を帯びて・・・「悪い虫」も、一気に吹き飛んだ
当時・・・南條選手はじめ、同じく筑波大学の内村選手(現:大阪産業大学柔道部監督(REN兄ぃの監督))、流通経済大学の岩崎選手(現:流通経済大学柔道部監督)など・・・関東には、強豪選手が数名おった
関東からの代表枠は・・・4名
ものごっつい厳しい試合になることは、言うまでもあれへんかった
ただ俺(の柔道)は・・・その中でも、南條選手とは一番噛み合うんとちゃうんかな?って、勝手に思っとったから、モチベーションは高まる一方やった(ちなみに、内村選手には・・・その2年後の講道館杯で、俺は案の定負けてる)
その年・・・本気で、「全日本学生体重別選手権大会」で、上位に入賞するつもりでおったし・・・もちろん、実力的にも、十分通用するって感じてたから・・・自分自身のイメージの中では、ものごっつい現実味を帯びとった
せやから・・・しんどくても、しんどくても、一生懸命、練習・研究に取り組んだ
あれほど、真剣に柔道に向き合って、柔道に取り組んだのは・・・後にも先にも、あの時が一番やったんとちゃうんかな?
ほんで・・・迎えた、関東予選当日
俺の人生最大の『分岐点』への、第一歩を踏み出すことになる