「最近の若者は・・・」
・・・・・そないな言葉を、よう耳にする
今朝も・・・仕事に行く途中、車のテレビから聞こえてきた
「最近の若者のあり得ない行動ランキング」・・・みたいな内容やったかな?(^_^;)
ちょっとだけ、昔話を記そうと思う
約25年前・・・大学を卒業して、就職(綜合警備保障(ALSOK)に入社)した俺も・・・
当時・・・そない言われた部類の新入社員やった
その年・・・国際武道大学からは、俺ともう一人・・・同じ階級(65kg級)で、俺と同等レベルくらいの柔道選手が、ALSOKへ入社することになっとった
入社前・・・
先に国際武道大学から就職をしとった、3歳上の先輩(全日本実業団体重別でも、トップクラスの選手)から・・・
「お前ら二人で試合をして・・・勝った方から優先して、「営業課」か?「採用課」か?を選べ」
・・・・・そない言われた
「営業課」は・・・結構、ノルマもあって、柔道に専念することは非常に難しい部署
それに引きかえ・・・
「採用課」は・・・学生の就職活動が本格化する時期に合わせて、忙しさは増すけど・・・普段は、結構時間を作ることができて、柔道に専念するには非常にええ環境やった
せやから・・・柔道部、剣道部の選手たちは、全国的に見ても「採用課」に属してる者が多かった
俺ら軽量級は、選手生命は、決して長くない
長くても・・・3~4年(25~26歳頃まで)やろうか?
それを考えたら・・・
「「柔道」という部分で、この会社に拾ってもらってんねんから・・・「採用課」に在籍して、徹底して柔道に専念した方がええな?」
・・・・・そないな答えを出す方が、正解やったんかも知れへん
せやけど、俺は・・・
迷わず・・・「「営業課」で、お願いします!」・・・そない、先輩に伝えた
「いいのか? 柔道の練習時間は、限りなく取れなくなるぞ?」
先輩は、そない言うて心配してくれたけど・・・俺には、まったく迷いはあれへんかった
いつやったか?は、忘れたけど・・・
「将来のことを考えたら・・・営業職は、やっといた方がええぞ!」
おそらく、親父やったと思うんやけど・・・俺に、そないなことを言うてくれとったことを記憶してた俺は・・・
何気なく「将来」のことを考えたんか?
それとも、その言葉が、当然のように俺の背中を押したんか?
今となっては、分かれへんけど・・・俺は、迷わず「営業課」を選択した
その・・・「営業課」
当時・・・まだ、バブルの名残が残っとったんか?
悠長なことに・・・営業マンには、1ヶ月間の「営業研修(座学に始まり、名刺の渡し方、営業の喋り方等)」たるもんが、設けられとった
神奈川県内にある・・・神奈川事業部、横浜支社、川崎支社、相模支社、湘南支社の新人営業マン全員(約20名)が一堂に集まって・・・支社(事業部)の次長や営業課長が・・・講師的な役割で、指導をしに来てくれるんやけど・・・
基本的に・・・子供の頃から、勉強なんかしたことがあれへんかった俺は・・・その研修(特に座学)が、ダルくてダルくて仕方がなかったよ(^_^;)
きっと・・・そのダルさ加減が、表に現れとったんやろなぁ~?
おまけに・・・
深緑色や、灰色っぽい色のダブルのスーツ(時代を感じるなぁ(^_^;))
スウェード生地のような靴(これも、時代を感じるなぁ(^_^;))
ツーブロックに刈り込んだ髪型(^_^;)
さすがに・・・「柔道」という世界で生きてきたこともあって、挨拶だけはきちんとしてたつもりではおるけど・・・
とても、柔道の選手とは思われへん、その風貌から・・・
各支社の次長、営業課長は、口を揃えて・・・
「あの「北岡」って言う新人は、営業なんか務まるはずがない! すぐに、辞めるよ!」
・・・って、俺が在籍する、横浜支社の営業課長(通称:首なし課長)に言うてたみたいで・・・
首なし課長は・・・ご丁寧に、その内容を、逐一俺に教えてくださった(^_^;)
中でも、川崎支社の営業課長は・・・営業マン時代、素晴らしい実績を持っとって、鳴り物入りで、若くして営業課長に抜擢された方やったらしくて・・・・・俺に対しての風当たりは、「これでもかっ!?」っていうくらい、ものごっつい強かった(^_^;)
でも、当の本人の俺は・・・
「今に見とけよ!? 目ン玉、見開かしたるからなっ!?」
そない、腹の中で、ずっと考えながら・・・目ン玉に力込めて、川崎支社の営業課長の目を、真っ直ぐに見据えてた(睨んでたって言う方が妥当かな?(^_^;))
それが、課長からしたら、さらにムカつく態度に映ったんやろうな?
限りなく、悪循環やったような気がするわ(^_^;)
そんなこんなで、1ヶ月にわたる営業研修も終了し・・・各営業マンが、各支社(各支社の各事務所)に戻され、日々の業務がスタートした
俺が配属された横浜支社の新人営業マンは・・・4人やった
(横浜支社ちゅうのは、地域的にもやろうけど、規模が大きくて・・・営業マンの人数も、40人近くおったんとちゃうんかな?)
その新人営業マンたちに・・・営業(首なし)課長が、こない言うた
「まず最初は、先輩営業マンについて、営業を学ぶと思うけど・・・その後、独り立ちした時に、先輩営業マンからのお裾分けをもらうんのではなく、自分の力だけで、まったくの新規営業をして、1ヶ月以内に1件でも契約してきたら・・・支社長が、ステーキをご馳走してくれると言ってる!」・・・・・って
「ナメられたもんやなぁ!?」
俺は、それくらいにしか思ってへんかった(ホンマ、生意気な若造やった(^_^;))
まず・・俺らがやる営業は、何を契約してもらうんか???
機械による無人警備システム
要するに・・・夜間、無人になる会社やテナントに、センサーを取り付けて・・・センターでオンラインで監視するっちゅう警備システム
たとえば、接骨院規模程度の大きさやったら・・・だいたい、月額30,000円、機器設置工事費250,000円ってとこやったかな?(当時)
それを・・・企業(自宅用の警備は別)に対して、片っ端から飛び込みセールスをするんやねんけど・・・
100件飛び込んで、1件見積依頼が出たら・・・御の字
見積もりを10件、お客様に出させていただいたら・・・やっと、1件契約に結び付くかどうか?
せやから・・・1000件の飛び込みセールスをして、やっと1件契約に結び付けることができるんか?
その時代は・・・それくらいのレベルやってことを、営業研修で教わっとった
俺・・・「今に見とけよ!?」って、ずっと考えてたし・・・
後にも・・・
仮に、退職するにしても(結局、4年間在籍させていただいてから、接骨院や道場を運営したくて、ALSOKを退職したねんやけど・・・)・・・
「「この会社には、あなたのような営業マンが必要なんです!!」・・・そない言わしめてから辞めたるわ!」
・・・そう思いながら・・・4年間、営業に打ち込んだ
話を元に戻すけど・・・
「先輩からのお裾分けではなく、独りの力で、1ヶ月以内に1件でも契約してきたら・・・ステーキ!」
「お前らは、最初の数ヶ月は、戦力にはなれへんねんから・・・」っていう、暗黙の太鼓判を押されたような状態から始まった・・・営業活動やったけど・・・
俺を指導してくださった、先輩営業マンは・・・東海大学柔道部出身の小橋川さん
幸か?不幸か?・・・その人についたことが・・・俺にとったら、「吉」と出たんかも知れん?
営業初日・・・
小橋川さん:「お前・・・名刺持ってるんだろ?」
俺:「はい! 持ってます!」
小:「じゃあ、営業行ってこい!!」
俺:「いや・・・でも、どうやってやればいいのか・・・???」
小:「そんなもん、その時次第だよ! 営業研修みたいに、必ず「この場合は、こうやって・・・この場合は、こう説明して・・・」なんて、絵に描いたように事が運ぶはずがないんだよ! 「何が、分からないのか?」も分からないお前に、一から十まで説明してるやるほど、俺は暇じゃないんだよ! 分からないことが出てきたら、その都度、質問したら答えてやるから! 分かったか? 分かったら・・・さっさと、営業行ってこい!!」
※最初は、先輩営業マンが、いっしょについて回ってくれるんやったんとちゃんかぇ!?(^_^;)
営業課長なんかより・・・小橋川さんの方が、よっぽど怖かったよ(^_^;)
(※ちなみに・・・この、小橋川さん・・・
現在(ちょっと前までかな?)は・・・地元、沖縄に戻って、少年柔道の指導に携わってる
RENが5年生の時の全国小学生学年別柔道大会(浜松で開催)に、小橋川さんの息子さんも出場しとって・・・会場で、お会いする機会もあったり・・・今現在も、コンタクトを取ってる)
この人には、営業のノウハウを教えてもらったっていうより・・・営業マンとしての「責任」を、物言わずとも教えていただいたと、俺は感じてる
せやから、俺は・・・小橋川さんには、ホンマ、ものごっつい感謝してる
また、話が逸れたな・・・(^_^;)(^_^;)
俺は・・・無我夢中で、片っ端から飛び込みセールスをした
目の前で、渡した名刺をゴミ箱に捨てられたり・・・破られたり・・・そんなことは、日常茶飯事
目を合わせてさえくれへん人も、多々おったよ
そんなことにもめげずに、飛び込みセールスを続けてたら、話を聞いてくれる方も、中には出てきよる
その時・・・
お客様:「それで・・・お宅のシステム内容は?」
俺:「・・・・・・・?(-_-;)」
お客様:「お前、自分の会社のシステムも分からずに、営業しに来てんのかよっ!? 出直してこいっ!」
そうやって、行き詰ったら・・・小橋川さん(会社)に電話して、教えてもらって・・・
その繰り返し繰り返しで・・・
俺は、営業活動に出て・・・わずか1週間で、1件の契約を獲ることができた
ほんで・・・その月が終わる時には、3件の契約を獲ってきてた
そないなったら・・・人っちゅうんは、手のひらを反すもんやでなぁ~?
後に・・・営業会議やったか?なんかで、川崎支社の営業課長と再会した時・・・
「お前なら、やってくれると思ってたよ! お前は、周りの新人と違ってたからなぁ?」
良くも、悪くも・・・言い方次第やわな(^_^;)(^_^;)
あんだけ、周りと比べて、「あいつは・・・」って言うてたはずやのに・・・
結果が出たら・・・ええ方向で、「周りと違ってた」って言うてくれるんやから・・・
それから、退職するまでの4年間・・・
「「この会社には、あなたのような営業マンが必要なんです!」・・・そない言わしめてやる!」って想いも持ちながら・・・
俺は・・・一生懸命、営業に取り組んだ
それが功を奏したんか?
退職する時には・・・
大口の契約先を何件も抱えさせてもらってたし・・・
マンションに取り付ける「宅配ロッカー」の先駆けやった商品を設置する(年間数棟、マンションを建てる)、デベロッパーも抱えさせていただいとった
また・・・日本国内に数百店舗も展開する、超大企業(90%以上の店舗が、ライバル会社「SECOM」の契約先やったけど)の当時の統括本部長さんからも(仕事柄、しつこくしつこく足を運ばせていただいとった(^_^;))・・・
「私が、某企業を紹介するから、そちらで営業マンとしてチャレンジしてみてはどうだ?」っていう・・・俺にとっては、勿体ないくらいのありがたいお言葉までいただいた
もちろん・・・
「私には、このような(現在、俺がやってること)「夢」と「目標」がありますので・・・」と、丁重にお断りさせていただいたけど・・・
これは・・・俺の自慢話でも何でもない!
じゃあ、何が言いたいのか???
「最近の若者は・・・」
そう・・・
いつの時代も、いろんな経験をされてこられた方々から見たら・・・若い子達は皆、「最近の若者」なんよな?
もちろん、俺もそうやったように・・・
そんな俺でさえも・・・時が経って、40歳代後半になった今・・・
20歳~30歳くらいの子を見たら・・・良くも悪くも「最近の若者」なんよ(^^)
せやから・・・
その「最近の若者は・・・」って、一括りで言われるのを、逆手に取ったったらどないやろか?っちゅう話
一昔前よりも、さらに今の世の中が、そんな風潮である以上
きっちり挨拶ができたら・・・?
ハキハキと喋れたら・・・?
見た目と本質が違ったら・・・?
物事に対して、途方もなく一生懸命に取り組む子やったら・・・?
たった、それだけのことができるだけで・・・格段に、評価は上がるんやから・・・
特に、これからの時代は、なおさらちゃうかな?
そらぁ・・・
見た目も爽やかで・・・清潔感があって・・・人当たりが良くて・・・素直で・・・素晴らしい挨拶や返事ができて・・・何事にも一生懸命取り組む「若者」やったら・・・申し分ないんやで!?
せやけど・・・
「そんな奴、おらんやろぉ~!? チッチキチー!!(古っ!?)」・・・やよ(^_^;)
それやったら・・・
周りのレベルが低いって評価されてる(「最近の若者は・・・」ってやつな)、今日この頃・・・
その中で、「当たり前」のことさえできてたら・・・「たったそれだけで、どんだけ評価が上がるんか!?」っちゅうこと!
だからこそ・・・
「当たり前」のことが・・・「当たり前」に、出来なアカンのやと、俺は思うねん!
挨拶・・・
返事・・・
喜怒哀楽・・・
空気を読めること・・・
一生懸命さ・・・
直向きさ・・・etc・・・
簡単にできそうやけど・・・なかなか難しいで?
せやから・・・
俺が今、彼らに教えてやることは・・・「柔道」の勝ち方が最優先じゃないんよ
もちろん、勝つことも大事やけど・・・
「柔道」を通じて・・・「北岡道場」で、大切なこと(そういったこと)を学んでほしいねん!!
いずれ・・・俺の元を・・・また、親御さんの元を羽ばたいていく彼らに・・・
どうか・・・
喜怒哀楽豊かに・・・一生懸命さと直向きさを兼ね備えて・・・その場の空気を限りなく読むことができる・・・
その上で・・・自分が決めた「道」には、決して嘘をつくことなく、真っ直ぐに突き進んでいける「人」になってもらいたい!
・・・・・そない願ってる
人生の色付けは・・・己自身でせなアカンのは当然なんやで!?
せやけど・・・
「それら」ができてたら・・・そんな自分自身を、きっと・・・ええ方向に導いてくれる人に出会うと思うから・・・応援してくれる人に出会うと思うから・・・・・
今、「柔道」がナンボ強くても・・・「それら」ができへんかったら、「過去の栄光」だけに、いつまでもしがみ付かなアカンような人生になってまうでぇ~?
たった一度の人生!
己自身を磨くべく・・・
この一瞬一瞬を・・・生きて生きて生きまくってほしい!
もう・・・「最近の若者」に戻ることができへん、オッサンの戯言やと思って聞いてくれ!
頑張れ!
「最近の若者」達!!
お前らにしか、できへんことがあるんやから!
ちなみに・・・
そんなオッサンでも、まだまだ生きて生き生きまくるために・・・
俺には・・・日々、想ってることがある!
人生は・・・
冥土までの暇つぶし!!
極上の暇つぶしをせなアカン!
それと・・・
「人間」は・・・死ぬまで、勉強や!!
歩みを止めたら・・・
「後退」しかないからな!?
元気出していこう!
READY! GO!!