『必然』11(射し込んだ『光』)

関東予選で負けてもうた俺は・・・

大学におっても・・・次の目標がないもんやから、モチベーションを持って、練習ができる訳でもあれへん

誰か(同級生)に、心を開いてきたわけでもあれへんから、バカになって騒げる仲間もおらへん

俺の昔の親友たちは、みんな大阪におったから・・・俺は、気分転換も兼ねて、大阪に帰省することにした

 

それと同時に・・・

当初、11月に教育実習に行く予定にしとった、母校「和歌山北高校」に連絡をしてみたら・・・

「6月でもOK!」との返答をいただいて・・・

俺は、急遽、6月1日から3週間・・・和歌山北高校に教育実習に行くことになった

 

曲がりなりにも・・・本気で、「全日本学生体重別選手権」(当時は、夏前に開催やったと思うねんけどな?)に出場するつもりやった俺は・・・

教育実習を、11月にセッティングしとったねんけど・・・ホンマに、急な変更やった

 

余談やけど・・・

教育実習って・・・元々、勉強なんかしたことがあれへんのにも拘わらず・・・生徒の前で、授業をせなアカンねんで!?

おまけに、研究授業とかいうて・・・大勢の先生が見とる前で、授業をせなアカンとかもあったし・・・

せやから、俺は・・・

子供の頃からの親友(彼は、俺とは全く別の人種やから、勉強はある程度できる奴)に・・・

バイク(当時、仲間みんなで乗ってたアメリカン)のハンドルを、付け替える作業をしてやる代わりにっちゅうことで・・・授業のスケジュール?授業内容?とかを、全部作成してもらった(^^;)

 

 

 

そんな実習中のある日・・・

実習生の意見交換会?みたいなもんが、ある教室で行われた

「ダルいなぁ~」って思いながら、その場におったねんけど・・・一人の女性が、俺の目に飛び込んできた

「この娘、可愛いなぁ~? 実習中、こっち(和歌山)におるし・・・暇つぶしに、この娘と遊んじゃおっかなぁ?!(^^)!」

そんな軽い気持ちで・・・俺は、その娘に声を掛けてみた

 

「お食事でも、いかがですか?」

 

ちゃんとした返事をもらったんか?強引やったんか?・・・忘れてもうたけど・・・

いずれにしても・・・俺は、その娘と食事に行くことになった

 

それから・・・

3週間の実習中・・・何べんか?その娘と晩飯を食いにいったり・・・休みの日には、遊びに出掛けたりもした

 

ちょっと、いっしょに晩飯食って・・・ちょっと、遊んで・・・・・っていうつもりが・・・

時間の経過と共に・・・俺は自分の気持ち自体、身動きがとられへんようになっていった

 

「なんでやろう??? こんなはずじゃ、あれへんのに・・・」

(あの頃の俺は、交際してる女性がおっても、平気な顔して別の女性とも遊べてしまう・・・そんな悪い奴やった(^^;))

 

俺の中で・・・何かが違っとった

俺の中で・・・何かが変わり始めとった

 

俺は・・・自分の気持ちが、えらい宙ぶらりんになってもうてるもんやから・・・

当時、交際しとった人に対して・・・「もう、いっしょにはおられへん!」っていうことを伝えた

そんな、中途半端な気持ちのまま・・・その場に己自身の身を置いてることに、ものごっつい抵抗があったから・・・・・

 

ほんで、また・・・

「想いを伝えて、もしアカンかったら・・・元サヤにもどったらええだけのことやん!?」

そんな「逃げ場」を作ったままの、中途半端な状態で想いを伝えることは、この娘に対してはできへんな?って思うくらい・・・

なんでやろう?・・・俺自身、その娘に対する想いは純白やった

(あんだけ、悪さしとったのに・・・

いや、悪さしとったからこそ・・・「いつもと違う自分」っちゅうもんが、手に取るように分かったんかも知れへんな)

 

 

「もし、断られたら・・・独りになって、いろんなことを反省したらいい!  ほんなら、いろんなことを考え直すこともできる!

いずれにしても・・・己自身の人生を、新たに再出発させる、ええ機会や!」

俺は・・・そない考えとった

もちろん・・・柔道のこと・・・就職のこと・・・この先の己自身の人生についても全部

 

そんな覚悟を持って・・・

「俺といっしょに、おってほしい!」

その娘に、そない伝えることは・・・その時の俺にとって、『必然』やった

 

 

せやけど・・・

彼女は・・・首を縦には、振れへんかった

 

 

 

 

そんな中・・・

彼女の方が、教育実習の日程が短い(教科によって違う)っていうこともあって・・・彼女は、大阪の大学に戻ってしもうた

 

彼女には、付き合ってる人がおるようやった

せやけど・・・

曲がりなりにも・・・こんな俺と、数日間いっしょに時間を過ごしたっちゅうことは・・・何かしら、自分の生活(今ある環境)に「不満」を持ってるからやろ!?・・・・・俺は、そない考えとった

 

そんな時・・・

ちょっとした出来事があって、俺と接点を持ってることが・・・彼女が付き合ってた人にバレてしもうた

それからっちゅうもの・・・電話をしてはみるものの、彼女は困惑する一方やった

 

俺は・・・いろんなことを、面と向かって確かめたくて・・・

彼女と会う約束をして、彼女がおる大阪まで会いに行くことになった

 

なんでやろう?

彼女からは・・・(自分のマンションから、だいぶ離れた場所の)「駅に来てほしい」って言われた

 

俺は、駅前のロータリーに車を停めた

助手席に乗り込んだきた彼女は、うつむいたまま何もしゃべらへんかった

 

「どないしてん?」・・・そない訪ねた、俺に・・・

「「もう・・・会うな!」って言われたから・・・「もう、会われへん」ってだけ、伝えにきた」

彼女は、泣きながら・・・そない答えた

 

「嫌やったら、戻れへんかったらええやん!?  俺のとこに、こいよ!!」

俺は、泣いてる彼女に、そない伝えたけど・・・うつむいたまま首を小さく横に振るだけやった

 

彼女が、付き合ってた人は・・・大学の仲間内の人やったらしいんやけど・・・

もし、そこを蹴飛ばしたら・・・その後の大学生活は、「独りぼっち」になってしまうんじゃないか?っていう、「不安」と「自分の気持ち」との間で・・・彼女自身、ものごっつい葛藤があったみたいやった

俺は、泣いてる彼女を抱きしめたけど・・・心の中は、「刹那さ」っちゅうもんだけに支配されとった

 

 

どんくらい、時間が経ったんやろう?

彼女は、黙って車を降りて・・・うつむいたまま、バス乗り場の方に歩いて行った

俺の方を・・・いっぺんたりとも、振り返ることなく・・・

 

 

彼女がバスに乗り込んで、姿が見えへんようになった時・・・

俺は、自分自身のやり場のない「想い」を抑えることができへんくなった

 

このまま、黙って彼女を帰したら・・・俺は、絶対に後悔する!

格好悪くてもええから・・・蔑まれてもええから・・・己自身が納得できる行動をしよう!

そない思った俺は・・・車を降りて、無我夢中でバスの方に向かって走った

 

そのまま・・・

バスの中まで乗り込んでいって、彼女の手を握って・・・俺は、彼女をバスから降ろした

「そんなに嫌やったら、行かへんかったらええやん!?  俺のとこに、こいよ!!  俺が、ちゃんとスジ通すから!」

精一杯の気持ちで、そない伝えたけど・・・彼女は、ずっと、うつむいたままやった

 

 

 

 

 

煮え切れへんままの時が過ぎて・・・

俺の教育実習も終わって・・・俺自身も、大学(千葉)に帰った

俺は・・・千葉の方からも、しつこく毎日毎日、彼女に電話をした

 

せやけど・・・

話せば話すほど・・・「刹那さ」が、とめどなく溢れ出てきて・・・

俺らは、お互い・・・身のやり場を、見失っとったのは明らかやった

 

 

 

約1か月後・・・

7月末、大学の夏休みになるや否や・・・俺は、実家に帰って、彼女と会う約束をした

彼女も、就職試験等で、和歌山に帰ってきとったから・・・

 

和歌山駅の前で、待ち合わせて・・・二人で、和歌山城の公園を歩いた

その日も、俺は・・・彼女に、「俺のとこに、こいよ!」って・・・

そない伝えたけど・・・彼女は、決して首を縦には振ることはせえへんかった

 

俺自身・・・あんなに、「刹那さ」を感じたことは・・・後にも先にも、いっぺんもない!

そんくらい・・・・・刹那い、1~2ヶ月やった

 

 

 

お盆近く?やったかな?

夏の風物詩・・・大阪湾に面した海水浴場での「花火大会」

俺は、親友たちといっしょに、花火を見にいくことになった

その時に・・・俺は、彼女も誘っておいたねんけど・・・

 

彼女と並んで・・・花火を見上げてた

夏も、もうすぐ終わりを告げる

そしたら・・・俺は、大学(千葉)に戻らなアカン

彼女も・・・大学に戻ってしまう

俺の手の届けへん場所にいってしまう

「どんだけ足掻いても、無理なもんは無理なんかなぁ~?」

彼女の横顔を見てたら・・・これでもかっ!っていうくらいの「刹那さ」がこみ上げてきた

俺は、今すぐにでも・・・嗚咽しながら、思いっきり泣きたいくらいの心境やった

 

 

咄嗟に・・・彼女が、俺に向かって言うた

「「もう、会われへん!」って・・・言ってきた」

 

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

・・・・・

?????

 

一瞬、時が止まった

せやけど、すぐさま我に返った俺は・・・息を呑んで、こう吐き出した

 

「俺の・・とこに・・・こい・・よ?」

 

そう吐き出した後・・・たった1~2秒やったんやろうけど・・・

俺には・・・ものごっつい、長い時間に感じた

 

彼女は・・・黙って、頷いてくれた

 

「やったぁ~~~っ!!」

 

そない大声で叫びながら・・・俺は、思いっきり彼女を抱き上げた

 

周りに、メッチャ人がおったけど・・・そんなこと、その時の俺には、まったく関係あれへんかった

 

22年間、生きてきて・・・

嬉しさのあまり、涙が止まれへん!っちゅうのは・・・その時が、初めてやった

 

 

 

 

 

 

あれから・・・26年

 

教育実習中、ちょっとだけ遊ぼっかなぁ~?っていうつもりで、声を掛けた彼女は・・・

今も俺のとなりで、人生を共に歩いてくれてる

 

誰にも、開こうとせえへんかった、俺に閉じたままの心に・・・光が射し込んだような気がした

ほんで、その光は・・・26年経った今でも、俺の心を「明るく美しく」照らし続けてくれてる

 

この出会いこそが・・・俺が、今の『俺自身』でおられる最大の要因やと思ってる

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

一生懸命精進して・・・一生懸命努力して・・・

それでも・・・人生は、思い通りになれへんことの方が多い

 

俺自身・・・必死になって追いかけてきた「目標」は・・・南條選手(先生)との試合で、打ち砕かれてしもうた

せやけど・・・

その敗戦こそが・・・俺の人生にとっての最大の「分岐点」

『最高の『必然』』やったんや!と思ってる

 

もし・・・旗判定の色が、1本でも違っとったとしたら・・・?

もしかしたら、俺は・・・そのまま関東の代表になって、全日本学生体重別でも、それなりの成績を収めたかも知れへん(でもまぁ、勝負事やから、何とも言われへんことやけどね?)

ほんで、その流れに乗れたなら・・・柔道の世界で生きていく人生になっとったと思うし・・・

もしかしたら、どっかの高校の柔道部の監督になっとったかも知れへん

 

そないなってたら・・・

もちろん・・・「北岡道場」は、なかったやろう?(仮にあったとしても、今現在の場所にはなかったやろうな)

ほんなら・・・

今、出会ってる道場生たちにも出会うことはなかったやろうし・・・

今、このブログを読んでくださってる皆さんにも、間違いなく出会ってへんかったやろう

 

 

せやけど・・・俺は、負けた

負けたことで・・・教育実習を、11月から6月に変更してもらった

そないしたことで・・・一生、交わることはなかったであろう、彼女に出会うことができた

ほんで・・・

その『必然』が・・・俺の人生を、大きく変えてくれた

当然のことやけど・・・彼女に出会ってへんかったら、悠葉先生、REN、SO、YAMATOにも出会えてへんっちゅうことになる

 

 

せやけど・・・何よりも・・・

己自身・・・彼女に対する「想い」を、諦めへんくて良かった

恥もクソもない・・・情けない姿この上なかったけど・・・

せやけど・・・ホンマに、諦めへんくて良かった

 

諦めてたら・・・そこで、すべてが終わってしもうてた

泣こうが・・・喚こうが・・・格好悪かろうが・・・情けなかろうが・・・

最後の最後に、「畳」の上に立ってた者が・・・『勝者』や!

襟は・・・あとで、ナンボでも正せるねんから・・・

 

俺は、そない考えてる

 

一番好きな『女性』と・・・

せやから・・・我が子や道場生に、こないして物事を伝えるんやけどね

 

 

己自身が、どないしてでも手に入れたいもんがあったとする

それが・・・金メダルなんか?・・・彼女なんか?・・・学業成績なんか?・・・etc・・・

いずれにしても・・・それを、どないしてでも手に入れたいと感じた(「その時」やと感じた)んなら・・・

「周りに、どない思われるか?」なんていうことは、一切考える必要はあれへん!

 

すべての物を投げ捨ててでも・・・

「己自身が、どうしたいんか?」

ただ、それだけを考えて行動するべきや!

 

どないなことをしてでも・・・どないな結果になったとしてでも・・・

「後悔」っちゅうもんは、大なり小なり心に残るもんや

 

せやけど・・・いや、せやからこそ・・・

己自身が、己自身に「納得」できる行動をした方が絶対にいい!

そないせえへんかったら・・・未来の己自身に胸を張って、次に進むことができへんと思うから・・・

 

俺は・・・大学時代に、己自身の経験から、実際に多くのことを学んだ

だからこそ・・・その後の人生も、そうやって生きてきたし・・・これからも、そうやって生きていくつもりでおる

 

もちろん・・・我が子や道場生たちに対して、吐き出してる言葉は・・・

決して、机上の空論ではなくて・・・俺の経験を元に、『言霊』として吐き出してるつもりでおる

 

 

 

 

もし仮に・・・どっかに、今とは違うもう一つの人生っちゅうもんが存在しとったとしたら???

たとえ、その人生が・・・傍目から見ても、とんでもないくらい素晴らしい人生やったとしても・・・

俺は・・・今の人生を選ぶよ

 

だって、俺は・・・『今』が、最高に幸せやから・・・

他と比べたら?なんてことは、考えたこともあれへん

 

誰でも・・・自分自身の過去を振り返った時・・・

「こうしてたら良かった」「こうしてもらってたら良かった」「こうあるべきやった」etc・・・

山ほどの後悔があることやろう?

 

せやけど・・・

「そうしてけえへんかった」ことも・・・「そうしてもらわれへんかった」ことも・・・「そうできへんかった」ことも・・・

すべては・・・『必然』やったんやろな?って思うんよ

 

 

過去には・・・どんなことをしても戻ることはできへん!

せやけど・・・未来は、誰にでも絶対に存在する!

 

それやったら・・・

己の身に起こりべくして起こった『必然』を真摯に受け止めて・・・

次に訪れるであろう『必然』を、素晴らしいもんに変えることができるのは・・・

「己の『心』ひとつ」とちゃうんかな?って・・・俺は思ってるんよ

 

せやねん!!

『幸せ』は・・・「成る」もんではなくて、「感じる」もんやねん!

ほんで・・・

『幸せ』は・・・己の『心』が決めることやから・・・

 

 

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